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宝瓶の茶漉し穴
朝日焼の宝瓶は江戸時代後期に八世長兵衛( ? ~1852)が江戸時代後期に完成させたと伝えられ、茶漉し穴は他の産地の窯元や作家にない特殊なデザインをしております、現在でも朝日焼では継承してその茶漉し穴の宝瓶を制作しております。

江戸で「煎茶」が大流行した時代に美味しいお茶を淹れる急須として誕生したのが八世長兵衛の宝瓶です。







茶漉し穴の特徴
・穴の大きさが直径約1.5mm程度である
・150個以上の穴が開いている
・胴体の下まで穴が開いている
・特殊な形状の注ぎ口に沿って穴が開けられいる



「穴の大きさが直径約1.5mm程度である」
煎茶や玉露を淹れるたの急須の茶漉し穴は大きくても小さくてもいけない。大き過ぎる場合は小さな茶葉や茎が通りすぎてしまい、濾しきれない。急須の役割を果たせない道具になります。小さすぎる場合はすぐに詰まり濾せなくなる、そしてお茶の旨味やとろみを逃してしまう。
適度な大きさの穴がある急須はお茶をしっかりと濾すことが出来るうえに、またお茶の旨味やとろみを引き出してくれる。

「150個以上の穴が開いている」
穴の数も重要である。日本茶に比べると茶葉が大きく硬い中国茶や紅茶の場合(茶葉の製法が炒る)は茶漉し穴の数は少なくて良い。ですが、茶葉が比較的小さくて柔らかく粘り気のある煎茶、玉露(茶葉の製法が蒸す)を淹れる急須にはたくさんの茶漉し穴が必要である。

「胴体の下まで穴が開いている」
道具として「悪い急須」は下部に溜まった一番美味しいお茶を抽出できない急須です。急須の胴体の下側までしっかりと穴が開いていることで下部に溜まって美味しく抽出されたお茶を抽出できるのです。

「特殊な形状の注ぎ口に沿って穴が開けられいる」
朝日焼の宝瓶の注ぎ口は下に行くほど広がる形をしております。これは他の急須には見られない形状です。なぜ下に行くほど広がっているのか?それは「胴体の下まで穴が開いている」のと同じ考えです。急須の注ぎ口が下に行くほど広がる形であることで下部に溜まったお茶を抽出することが容易になります。穴の形状はその下にいくほど広がる注ぎ口の形状に沿って開けています。





すべての手間は丁寧に育てられた宇治のお茶を美味しく淹れるために施しています。八世長兵衛より代々、変わらずに継承する朝日焼の宝瓶です。

宝瓶 青磁

朝日焼の店主
松林俊幸