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花入 粉引 砧形 十六世豊斎作
十六世豊斎作
威風堂々と地に足をつけるような、どっしりとした形よりも、ジャコメッティの細長い彫刻のように、どこか不安定さを感じさせる形に惹かれます。しかしながら、陶器という素材、花入という用途はそのような不安定さを持つ形とは相性が悪いです。この砧形の花入は、私にとってその相反する要素をうまく調和させることが出来た形です。
いわゆる砧形の花入より首が細く長くなることによって、私のその不安定さを持つ理想的な形に近付きました。
砧形の花入では「万声」や「千声」という有名な青磁の名作があります。それは素晴らしい青磁の色であり、風格を感じさせる姿です。しかし、本来の「砧」という道具が持つ、寂しい響き、侘び。という意味では、この花入が適っているかもしれません。素地の土の上に、白い化粧土のみが乗り、そこに松割木の灰が焦げ、火の痕跡を留めるのみ。その飾り気の無い表情に、どこか不安定な形。「砧」を名乗るに相応しい気がします。そこに花が入ると、大きなコントラストを作って花の可憐さを引き立ててくれる花入。日本人が「砧」に込めてきた思い。能「砧」をはじめ数々の歌、俳句に詠まれてきた「侘しさ」を思い、秋の始まる季節にこの作品をご紹介したいと思いました。
サイズ Φ105×h290 mm
素材 宇治の陶土
釉薬 粉引
焼成 玄窯(登り窯)
箱 木箱 ※受注後に制作、約二週間
価格 165,000円(税込)
※パソコンやスマートフォン環境により、写真の見え方に若干の違いが生じます。ご了承ください
※ご使用後は毎回しっかりと水気を拭き取り、よく乾燥させてから保管ください。