金彩という技法を、3年程前から本格的に作品に取り入れて参りました。初めは月白釉に、そして昨年からは鹿背、紅鹿背といった朝日焼の土味にも金彩を施すことで、華やかさと静けさの調和を目指して参りました。
金彩という技法は、本来、金で画を描き、焼き付ける技法ですが、私の場合は金刷毛目とでも呼ぶようなもので、画を華やかにする本来の金彩とは違い、土と釉によって作られる茶盌に金という別の表情、テクスチャを重ねることを意識しております。
本作品は、その感覚を一歩進め、筆をなぐりつけるように茶盌に金彩を施すことで、新たな可能性を感じる一盌となりました。ともすれば金彩のみが浮いてしまい、土との調和を損ねてしまうことになり、難しさを感じますが、だからこそ面白味を感じるところであります。
サイズ Φ115×h75 mm
素材 紅鹿背(宇治の陶土)
釉薬 透明釉、金彩
焼成 玄窯(登り窯)
箱 木箱 ※受注後に制作、約二週間
価格 275,000円(税込)