茶入の轆轤は難しい。薄づくりで、肩がしっかりと張り、口にひねり返しがつく。この三つをしっかりと作ることはとても大変で、特に肩衝の水挽は難しいです。しかも糸底を残さなくてはならず、糸で底を切る時にも細心の注意が必要です。
茶入を作っていると古の陶工に試されているような気分になる時があります。この茶入はキリっとした肩と首から口縁に向けての形も綺麗にでき、また釉の一すじのなだれ、紅鹿背の土の微妙なグラデーションと、久々に満足のいく茶入が出来ました。
ここ最近は、良い茶入は年に2つか3つほどしか出来ておりません。
苦労して作った茶入は、うまく焼き上げることもとても難しいのです。
紅鹿背の茶入には紺の仕覆を誂えるのが好みです。今回は、大内桐金襴を合わせました。
サイズ Φ61×H82 mm
素材 紅鹿背(宇治の陶土)
釉薬 透明釉
焼成 玄窯(登り窯)
箱 木箱 ※受注後に制作、約二週間
価格 308,000円(税込)