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2021.08.22
四周年企画 朝日焼を学ぶ -宇治の登り窯を知る
朝日焼を学ぶ-宇治の登り窯を知る

おかげさまでコロナ禍ですが、8月に朝日焼shop&galleryの5年目が始まりました。

Openから今日までご来店いただいた多くのお客様に登り窯のことや焼き物の表情を説明すると大変関心を覚えて頂いて参りました。

有難いことに「朝日焼のことをもっと知りたい。機会があれば工房や登り窯を見てみたい」という声をよく頂いておりました。

今回、店主の企画で始まりました朝日焼を学ぶ。

先ずは店主自ら大津へ出向き、菓子を用意。

宇治の茶陶らしいおもてなしのため菓子職人自ら土にこだわり栽培した小豆を使って炊き上げた餡で「宇治川」を銘とする涼やかなお菓子。

そして冷抹茶でウエルカム・ティ。



参加者様をお出迎えとお茶の力のおかげで初めましての皆様と和やかに会が始まりました。



第一回目は「宇治の登り窯を知る」

今回は実際にご来店いただいたお客様と一緒に私も一スタッフではありますが同行させて頂き、普段なかなか見る機会のない箇所まで登り窯「玄窯」を知り学ぶ時間となりました。

あなたは「登り窯」をどこかでご覧になったことはありますか?私自身は記念館の中にある稼働していない穴窯と登り窯しか見たことがありませんでした。

初めて朝日焼の登り窯・玄窯の焚口前に立った時、スケールの大きさに只々感動したことを覚えています。



今回、ちょうど数週間前に窯焚きを終えたばかりの登り窯・玄窯。

その傍らには温度を上げるため3日間に渡って焚き続けられた赤松の割木が残っており朝日焼の器が宇治の陶土と松の薪の炎の作った結晶だということを思い出させます。

そして、窯の中で「火を躍らせる」加減に職人さん達の経験はもちろん、とても科学的な要素が大きい一方で人の手で出来る範囲を超えた器の表情は「窯と火の神様にゆだねるしかない」ことを知りました。

朝日焼が独自に築造した玄窯の煙突はもう50年以上前から煙の上がらないよう無煙化に創意工夫されていたことや多くの作品を釜焚きし棚組する際に昇降させることができる穴窯内部の仕組みなど。

午前・午後と2班の方にそれぞれ御覧いただきましたが観る度に驚きが一杯でした。



朝日焼の器が宇治の陶土を用いてどのように制作され窯の中で焼成されるのか?そしてどのように表情をつけ変化していくのかを登り窯を通してご覧いただき技術的な内容も実際に現場をご覧いただき作品を見比べることで朝日焼の器が出来上がっていく背景を感じられたのではないでしょうか。



伝統を下支えしている技術を知ることで目の前に並ぶ作品群が一層輝いて映り「朝日焼のことをもっと知りたい」気持ちが高まった参加者様たちの質問は工房に移ってからも続きました。



「登り窯」が器の舞台なら「工房」そこは窯に入れる前に形作られていく朝日焼の舞台裏。

職人が轆轤をひく席の足元に残る粘土を削った跡や、焼成する前のサン板にズラリと並んだ作品の卵たち。

普段見ることのない道具が散りばめられた仕事場は職人さん達の知恵の集大成。一つ一つ見ていくと興味が尽きることはありません。それらに人の手でしか作れない風合いを感じていただけたのではないでしょうか。この日、工房は休日で止まっていましたが次の機会には実際に制作する現場を見学し工場長に裏話など伺ってみたいです。

初めてご覧になった登り窯、そして工房に知的好奇心が満たされた参加者様たち。

ギャラリーに戻り改めて作品を見直された後、この時間の感想を共有しとても暑い一日の中、エアコンの無い半屋外のイベントで長時間「朝日焼の秘密」を披露した店主にも温かいお声をいただき締めくくられました。



こちらの企画は継続して開催されます。

あなたも是非、次回はご参加いただき朝日焼を知ってくださいね。

朝日焼を学ぶ担当 スタッフ藤野