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茶盌 鹿背 十六世豊斎作

十六世豊斎作

鹿背と紅鹿背という二つを比べると、鹿背に春を感じます。もちろん、そう決まっているわけでもないですし、一つ一つ違う表情の中から、まったく逆に感じるものもありますが、やはり鹿背の黄色から薄いグリーン、薄い青のグラデーションが、春を感じさせてくれます。
3月に焚いたばかりの玄窯で焼き上がったこの鹿背の茶盌は、特に春のあたたかな光に心が解きほぐされるような感覚を覚えます。もし、自分で名をつけるなら陽光。あるいは春光とでも名付けたくなります。
形は、自分の中で井戸形と読んでいますが、いわゆる高麗茶盌の井戸茶盌とはかなり異なる形です。
喜左衛門井戸に代表される井戸茶盌の姿はとても魅力的で、茶盌をつくる者として惹かれます。
そのうえで朝日焼の鹿背の茶盌としての井戸形とは如何にあるべきか。
毎回の窯焚に、必ず井戸形の茶盌を作って入れます。
高台を高くし、高麗茶盌の雰囲気に少し近づけるもの。また、朝日焼らしい瀟洒(しょうしゃ)さをより強く意識したもの。
一つの正しい答えなどない中で、よりよい形を目指して試行錯誤を続けています。
この茶盌は、後者の方。私の作る井戸形の茶盌の中では小さく低めの高台で、軽やかな印象ですが
ロクロ目は少し力強さを感じさせるもので、そのバランスが気に入っております。

サイズ  Φ138×h73 mm
素材   鹿背(宇治の陶土)
釉薬   透明釉
焼成   玄窯(登り窯)
箱    木箱 ※受注後に制作、約二週間

Price 220,000 JPY


No.
51120
Name
茶盌 鹿背 十六世豊斎作
Price
220,000 JPY